価格競争に巻き込まれない3つのポイント

社長ブログ #5

2022年1回目の投稿です。新年明けましておめでとうございます!

今年は寅年ですね。僕は今年36歳になりますので、年男🐯です。経営者になって丸々3年が経ちましたが、経験したことのないようなことがいくつも巻き起こっております!が、自分自身の信念と支えてくれる従業員や関係者の方々を信じて、今年はまた会社としても個人としても最高の年になるように尽力していきますので、2022年も何卒宜しくお願い致します。

さて、今年1回目から少し重ためのテーマを選びました。今回は「価格競争」について感じたことを書きたいと思います。

商売をしていると必要なのが、サービスの価格・値段設定です。
製品をお客様に販売する価格、飲食店やスーパーなどで商品を提供する、行った役務に対する対価としてのサービス価格など、どの業界でも値段を設定し、顧客に代金をお支払いを頂き、商売が成立します。

物々交換をしていた時代には自分と相手が持っている物を価値に見合う量で物同士を交換し合う時代がありましたが、通貨が発明されてからは、提供するサービスをお金の価値に変換する必要が出てきました。そのため、サービス提供側は顧客にサービスが届けられるまでに掛かる原価を計算し、見合う利益を想定して価格設定をします。
そのため本来であれば、各サービスの価値というのはそれぞれ違うので価格はバラバラになるのが普通のはずです。

しかし、どの業界でも当たり前のように価格競争が巻き起こっています。
顧客にとっては競争の中で価格が下がることは嬉しい一面もありますが、過剰な価格競争は、逆にサービス提供側が疲弊し、サービスが長続きしないもしくは品質の低下などにもつながる恐れがあります。
安かろう悪かろう という言葉はこのような流れから生まれたものなのでしょうね。

私たちサカワが創業以来行っている黒板事業も価格競争が長年続いており、最盛期から比べると会社の数も大きく減少してきています。黒板業界は100年の近くの歴史があり、仕事が沢山あり良い時代もありましたが、少子化が進んでいる現在では、学校が減り自然と価格競争が激しくなっています。黒板屋は歴史が古く真剣に取り組んでおられる会社様ばかりですので、品質は高い水準をキープしていて、世界でも最高レベルだと思います。しかし実際の値段はかなり厳しいのが現状です。

そもそも製品の価値というものは、機能や品質や値段などの機能的価値、信頼感や安心感や共感性などの情緒的価値という様々な要素があり、価格だけで勝負をしなくていけないことなんてことはないはずです。
技術や効率化により、元々の原価コストが下がることで自然と価格が安くなることは非常に好ましいことと思いますが、製造コストや人件費は変わらないのに(むしろ上がることもある)、ただただ利益を圧迫する値下げや価格競争は企業の成長を妨げることに他ならないと僕自身は思っています。

そして利益を圧迫して仕事を受けた先には、
・新機能・新製品に投資する資金がなくなる
・品質を向上させるための追加開発ができなくなる
・販売したあとのサポートの余裕がなくなる
・製造する部門も売る部門も気持ち的にしんどくなる

などのような弊害が起こります。これは非常に深刻な問題です。
新たな技術を導入して次なる投資ができないことは会社や社会の未来を創ることの足止めとなります。また価格が安くなったからといって、製造や営業する手間が減るわけではないし、販売した後の責任が軽くなることもありません。最終的に利益が少ない事業には会社としてもどうしても期待が薄くなるため、それが経営者の言動や態度に出てしまい、従業員も必然と疲弊していくという負のスパイラルに陥ります。

なぜ「価格競争」に突入してしまうのか。

1つはブームや流行りの製品やサービスに、新規参入者がどんどん増える市場の場合です。
最初はほんの少数の会社が始めたビジネスがユーザーを増やし、それが参入障壁があまり高くない場合、誰でも簡単に始められてしまうため、プレイヤーが乱立して価格が適正価格から割れていってしまうパターンです。
「お、あそこの水はうまそうだ」と他を真似して飛びついて、コピペしたら儲かるかも!という思考での参入ですが、既にレッドオーシャン化していることも多く、結局はやってみたけど成功しない場合が多く見受けられます。

しかし、もちろんこのパターンで成功する例もあります。その場合は低価格がベースとなりますので、基本戦略はシェアを拡大して、数で稼いで薄利をカバーする形となり、ある程度会社規模があり潤沢な人材や販路、体力があることが条件になります。

もう1つは、機械や技術などの導入コストが高額で参入障壁は高く、新規参入会社は少ないが、目新しいアイデアが生まれずに技術が停滞し、年々価格競争になっていく場合です。
参入障壁が高い場合、プレイヤーが増えないため市場に緊張感が生まれません。そして過去の”製品が新鮮”だった頃のように問い合わせが自然と入り、適正価格で売れていたときのやり方にみなが染まっています。そのため打ち手がないまま時間が経過して、どこか1社が価格を下げはじめると、下落が止まらず合わせていくしかないという形に。この場合、一度下がった価格を上げることは容易ではありません。

これは過去の栄光に甘んじて、技術開発に投資をすることや製品のさらなる付加価値を模索しなかったことに問題があると考えます。
その先は例えば、スマートで先進的な別業界の会社に何番手かの業界会社がM&Aされたりして、一気に面を取られてしまうことにもなったりします。
本来であれば本業をやっている会社でしか持ちえない、事業に対する思いやノウハウ・経験があるはずですので、会社自体が時代に合わせて技術を進化させていけば、きっと別の新たな戦略が見えてくるはずなのに、変化をせずに先代の築き上げた資産を食いつぶして終わってしまうのでは、非常にもったいないと考えます。

そこで僕が考えている事業が価格競争に巻き込まれない3つのポイントは以下です。(あくまでも弊社のような小規模の会社に向けてになるかと思います。)

価格競争に巻き込まれない3つのポイント

1、アイデアをひねり付加価値を付け、市場より高い価格帯で勝負をする
製品に他がやっていないアイデアを付加させて価値を上げ、暗に価格だけで勝負はせず、高額でも必要だと思ってもらえる製品づくりを目指します。価格を下げるのはいつでもできますが、リリースしたあとに価格を上げることは簡単ではないです。付加価値を付ける為のアイデア出しを考えていくことは、前向きで能動的な会議や会社全体の活性化や軽快で身軽な独特のリズム感を雰囲気を生みだします。その雰囲気はたとえ会社がピンチに直面したとしても、また新たに新しいアイデアを出せばきっと乗り切ってさらに成長できるという希望に繋がります。
そして出来たらそのアイデア出しは複数の従業員にアイデアを聞きながら様々な角度から検討して行った方が良い解が出てきます。

2、大きなシェアを狙わない
高付加価値で価格の高い製品は価値を理解してれるユーザーを狙いうちしていくことになりますので、いきなり大きなシェアを取り行こうと息巻いても空砲になります。1年目は大きな赤字にならないければ良いと考え、現実的な販売目標を設定し、まずはファンづくりと現機能が市場のニーズとマッチしているのか、また会わないのであればズレがどこにあるのかを販売しながら調査していきます。ニーズは製品を作る前に把握しておくべきという意見もありますが、他にないアイデアの製品であるならばこそ、正直出してみないと分からないことが多いです。自分たちが予想もしなかったニーズが掘り起こされることもあるし、ズレが大きく初動は失敗でほとんどユーザーに刺さらないケースもあります。都度、軌道修正しつつ、少し時間をかけて目標値を徐々に高めていくことが成功への近道と考えます。そうして積み上げて行った着実な実績が将来は高品質のまま原価を下げることに繋がり、最終的には大きなビジネスへと変化していくと思っています。

3、流行りに飛びつかない、社会問題とそれに対する思いをきっかけに事業をスタートさせる
流行っているから乗っかる、という形で事業が始まってしまうとまず長続きしません。
前段の通り、いきなり始めからうまくいくことは少なく、都度修正していく必要がありますが、それには根気が必要です。事業に対する思いがなければ「なんだこの事業、儲からないじゃん」とやめることになりますので、それくらいなら元々掛かる予定だった投資を主力事業を伸ばすことや社内の働きやすさを改善したりなど従業員満足度を上げていく方向に使っていった方が健全です。

「なぜやるのか」という、その事業を通して社会にどう役に立ちたいのかを最初に考え、その上に事業をスタートすることが大切です。思いが乗らないとWebや発信する媒体や例えばお店の構えなどにも世界観が反映されずに、ユーザーに気持ちが入ってないのが伝わり、薄っぺらさを見透かされます。
ただし、すべての事業が始めから思いが100%乗っているものだけではないことも経営をしていると多々あります。しかし、成長を続けていくには必ずなぜやるのかを考えなくてはそれ以上成長は見込めないタイミングが来るので、途中でも一旦立ち止まり原点を見つめ直すことが良いかなと思います。(と同時に自身でも反省もしつつ書いていますw)

上記はあくまでも私の主観のみですので、参考程度でお願いします!

さてさて、私たちサカワも今までの社歴の中で都度戦い方を変化させ、どうにか厳しい価格競争に正面衝突しないようにやってきました。そこは経営者としてもかなり意識していて、今やっている事業でも数年後厳しい勝負になるだろうと予測をしたら、いち早く戦略を変えて、また違う売り方をします。いつまでも同じやり方にならないように、プレイヤーが少ない方へと早めに舵を切ります。前向きで柔軟な従業員がいるからこそ成り立っていることですが、やろうと決めたら全員でいち早くスピード感をもって行動します。
まだ見ぬブルーオーシャンを求めて、今日も船を漕ぎ続けています。

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この記事を書いたひと

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坂和 寿忠

株式会社サカワ4代目社長の坂和寿忠(トシタダ)です。愛媛県出身、1986年生まれ。大正時代に黒板製造業でスタートした弊社は創業100年を超え、教育分野という土俵はそのままに、今ではアプリを制作し、学校用プロジェクター「ワイード」を全国展開しています(今もグングン導入台数増加中)。 “日本一面白い黒板屋さんになる“ために面白いアイデアや仲間をいつも探しています。「こんな物を一緒に作れないですか?」「こういうこと出来ないですか?」なんていう面白いお話があればいつでも大歓迎です!FacebookやTwitterからメッセージお待ちしております。では、また! 「黒板屋四代目への直接相談フォーム」はこちら

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