2024年12月11日

飲み会より効果あり?社長と社員の雑談ラジオ「サシトーク」で社内コミュニケーションが広がる

黒板屋四代目の挑戦記 #24

こんにちは!株式会社サカワの代表取締役 坂和寿忠です。

サカワでは日々働く環境をアップデートしながら、社員同士が仲良く、安心して働ける環境を作ることを目指しており、様々な福利厚生や施策を行っています。
本日はその中で社員と社長が1対1で対話する「サシトーク」という社内ラジオについてお話をしていきたいと思います。
サシトークは2024年1月から開始して社内だけでこっそりやっていたのですが、他の会社の方にこの活動を話してみると、驚いたことに結構反響がありましたので、「こんなラジオ番組をやっている会社は実は珍しいのかも?」と思い、記事にしてみようと思いました。

コロナ以降オンラインツールが当たり前になり、業務上のやりとりや相談、打ち合わせなどは実際に顔を合わさなくても、同じ場所にいなくても効率良くできるようになりました。
一方で、業務外のことを話してお互いの親交を深める、“雑談”が生まれにくくなっており、同僚の仕事上で活動以外を理解するタイミングがありません。しかし同じ職場で働く人同士、お互いを理解していた方が安心感があり、同僚に親近感を持つことはとても良いことです。仕事においても相手のことを理解していた方がスムーズにやりとりが進むはずです。
また経営者としても、普段は全社の集まりのような場や会議などではどうしても一方的に話しをしなくてはいけない立場ですが、このようなラジオでは社員さんが主役となり、経営者がインタビュアーのような聞き役に徹して進行していくので、聞いている社員さんも心理的に安心感や聞いてもらえる喜びなども同時に感じることができる場になっていると思います。

この活動を通して、社員同士のコミュケーションが広がっていけば嬉しいですし、社員一人ひとりのことを深く知ることができるので、話す側も聞いている側も幸福感がアップし、会社への帰属意識やメンバーの仲間意識を強めることに結びつくと思っております。このブログでは、サシトークがどのような内容なのか実際の収録音声を一部公開し、どうやって運用しているのか、そして社内の雰囲気づくりにどのような効果をもたらしているのかを紹介します!

社長MCの雑談ラジオ「サシトーク」の始まりと目的

サシトークは、社内限定で誰でも聞けるラジオインタビュー番組です。
社長の私がMCとなって社員と1対1でおしゃべりします。
このラジオを始めたきっかけは、仕事で沢山のコミュケーションを取っているにも関わらず、「案外、社員さんのことを知らないな」というに気づいたことがきっかけでした。
その人の生い立ちや趣味やどんな音楽が好きなのか、学生時代にどんな青春を過ごしてきたのかなど、入社の面接の時くらいしかなかなか聞く機会がなくて、折角人生の多くの時間を一緒に過ごしているのにも関わらず、経営者としてとても寂しいことだなと思いました。
社員の方々の幸せを願う経営を目指しているのであれば、もっと社員一人ひとりのことを知る機会を作り、そしてみんなが安心して自分の個性を出せるような会社にしたいと思ったというのが始めた経緯です。

弊社は30人以下の規模の会社ですが、拠点が愛媛本社と東京支店という2拠点で、また部署ごとに業務が別々なので、社員間でよく話す人もいれば普段あまり関りがない人もどうしても出てきてしまいます。一緒に食事会をしたり、業務中に雑談したりして、お互い仕事以外のことを話すコミュケーションを取りたいところですが、そういう機会もしょっちゅう取れるわけではありません。
同じ働く社員さん同士でも、同僚のことをある程度理解できている方が、きっとコミュケーションも取りやすいでしょう。

また、社歴が浅く新しく入社した社員や、まだ慣れていないメンバーがサカワという場所で安心して自分らしくいられるようにサポートしたい、そんな思いもありました。

社内ラジオ「サシトーク」の流れと雰囲気

社長MCの社内ラジオ「サシトーク」収録風景

弊社ではただダラっと録るだけのではなく、出来る限り本格的なラジオ番組のように作ることを意識しています。
普通に働いているとラジオ番組に出演する機会も、自分のことをインタビューされる機会もほとんどありません。なので、特別な時間を作ってあげたいという思いもあります。

現在は第9回まで収録しており、だいたい月1回のペースで社内SNSの「Slack」にて配信しています。
勤務中に聞いてOKとしていますので、デスクワークの最中や移動中に聞く人が多いようです。
回ごとに長さはバラバラですが、40分~1時間程度を目指しています。(ただエピソードが多く盛り上がりすぎて、最近は1時間越えをする回も出てきています 笑)

番組は、以下のような流れで構成されています。

① オープニング

まずは、社長(MC)が3分間程度で最近のニュースや身の回りに起きたことを話すオープニングから始めます。
ここではアイドリングといいますか、仕事モードからラジオを聞くためのモードに切り替えてもらうための時間で、少し僕のパーソナルな部分を感じてもらえるような時間にしていますが、どうでも良いことばかり話すので、特に実のある話はありません!

➁ ゲストトーク 前半

社員(ゲスト)をお招きして、ここからラジオのスタートです。
事前にアンケートを取って臨みますので、まずはご自身の身の回りのことで、無理なく話せそうな内容から聞きます。ここで、少しずつ話すことに慣れてもらうように心がけています。
例えば、ご出身やご家族構成、休日の過ごし方や趣味の話などを中心にしています。
さらに地元の名産や場所の特徴、ご自身の名前の由来、好きな映画や本について、またお子さんがいればどんなことをして一緒に遊んでいるかなどを、対象の社員さんに合わせてなるべく楽にお話しできそうなことをチョイスしています。
沢山質問をしていきたいのですが、1個1個知らないことばかりなので、「へぇ、そんな趣味持ってるんだ!」とか「えー!ご実家はそんな家業だったの?」といった初めて聞く興味深いことが出てくるので、どんどん掘り下げていくと、一つの話だけでも結構長くなったりします。その偶然性もラジオならではの面白いところです。

➂ ブレイクタイム

ここで前半が終わると、私がゲストの方やその時の季節などに合わせて選んだ曲を紹介して流します。
ちょっとした音楽のコーナーが入ることで、ラジオっぽさが助長されるのと、季節を感じリラックスしてもらうという工夫です。
そして後半のスタートの時に、「社長への質問コーナー」ということで、社員さんから募集した質問を読んで答える時間を設けています。
「影響を受けた歴史上の人物は誰ですか?」「どんな女性がタイプですか?(笑)」などなど普段話さないような質問が飛んできますが、これも誠実に答えることで僕自身への理解も同時に深まることになっていると思います。

④ ゲストトーク 後半

ここからは、幼少期や青春時代にどんなことをして過ごしてきたか、そしてサカワに入社するまでにどんな仕事をしてきたか、入社の経緯など、“過去から今に繋がるお話”を中心に聞いていきます。
特に学生時代の話というは本当にそれぞれ面白いエピソードが詰まっていて、「まじめそうに見えるのに案外ハチャメチャだな」ということが沢山聞けます。
大人になって出会った人同士なのでみんなしっかりとした部分しか普段見えませんが、子どもの時の話なんてみんなそんなもので、それぞれ思い思いに生きてきたエピソードを語ってもらうと、とても意外で笑えて心温まる話が聞けて、距離がグッと縮まる時間になります。
またそのあとに、サカワに入社した経緯や今までやってきた仕事の話を聞くことで仕事に対する考え方やモチベーションなども伺い知ることができるので、後半戦も興味深くトークが盛り上がります。

そして番組の最後は、ゲストの社員が好きな曲や思い出のある曲を紹介して、締めくくりとなります。意外な曲のチョイスも結構出てくるので、音楽を通してその方の持っている“好きな領域”などを知ることも相互理解の一つだと感じますし、チョイスしてもらった曲を全員で聞くことが新しい体験となり、聞く側は新鮮で温かい気持ちになると考えています。
このように、ラジオ番組らしい演出をすることで、出演する社員にとっても特別な体験になると思います。

ゲスト(社員)に録る前と録った後に感想を聞くのですが、本番前は「自分の話せることなんて、全然ないですよ」「私のことなんて聞きたい人いないでしょう?」「めっちゃ緊張する」という反応ばかりでも、終わった後は「意外に、楽しかったです!」「あっという間に時間が過ぎました。」「出来上がりが楽しみです!」というように、もっと話してもOKだったというようなポジティブな感想を多く頂けます。この時点で僕との距離はグッと縮まっていて、今まで過ごしてきた時間以上の貴重な二人だけの共有時間が出来上がり、関係性が深まります。
実際にその後はその方と社内でも雑談したり、パッと声を掛けやすくなっています。

事前アンケートでラジオ進行をスムーズに

当日の収録がスムーズに進むように、事前にアンケートを用意して、ゲストの個性が出せるように工夫しています。話す方も聞く方もプロではないのでアンケートがある方がお互い確実に話しやすくなります。実際に使っている事前アンケートはこちらです。(一部)

社長MCの社内ラジオ「サシトーク」事前アンケート

ダウンロードはこちらから(Excelファイル)

アンケートでは、上記でもお話したように「最近のマイブーム」「学生時代の思い出」「入社した経緯」などの質問に加えて、「仕事で使っているおすすめツール」「ほかの社員さんの意外な一面」「新しくチャレンジしてみた事業」など少し違った切り口の質問も用意していて、会話が色んな方向にむしろ逸れやすいようにしています。このアンケートの効果もあって、話題が切れることなく今まで9回もやってきましたが、全員とスムーズに収録が出来ているかなと思います。

ちなみにこの企画は、ラジオ好きで新しいクリエイティブが大好きな企画事業部の柴田の全面協力の元に運営しています。
ラジオの企画自体や事前アンケートのこと、実際の編集やサムネ作成に至るまで一緒になって考えてくれているからこそ成り立っていて、自分一人ではなかなか良いモノが出来上がらないので、彼の協力的な姿勢にこの場を改めてお礼を申し上げたいと思います。柴田さん、いつもありがとうございます!

実際の社内ラジオを一部公開

では、実際に一部を公開したいと思います。
この日のゲストはマーケティング部 部長 藤森さんの回をご本人の許可を得て、上げさせて頂きました。ぜひ雰囲気を感じてくださればと思います。

教育業界とのシナジーと、ラジオ活用の可能性

サカワは教育業界に深く関わる企業ですから、サシトークのような取り組みは、学校現場でも応用が利くと考えています。例えば、学校内で生徒や先生同士または生徒同士で行う“校内ラジオ”のような取り組みを行うことで、クラスメイトや先輩後輩、担任の先生の個性や価値観を知り、校内に同士で互いの考えや趣味、夢について語り合う機会を作ることで、教室や校内全体の活気や学びの意欲やチームワークが高まる効果が出たり、心理的な安全性が向上するかもしれません。
先生方も、このような取り組みを通して生徒一人ひとりの個性を理解しやすくなり、授業内外の生徒へのサポートに活かせることもあると思います。
このように、「語り合う場」が、教育現場においても役立つ場面は多いと考えています。

飲み会よりも効果が高いかもしれない

この活動を通じて、サカワの社内に素敵な変化が生まれています。放送が終わると、他の社員が「ラジオであの話聞いたけど、私もあれ好きだよ」と話しかけたり、他の部署や異なる働き方をしている社員同士が自然と会話するきっかけが出来ています。普段話せなくても相手のことも身近に感じるようになり、仕事の場でも気軽に話せる雰囲気や他社理解が生まれていると思います。

そしてこれは副次的な効果ですが、社長自身が一人ひとりのご家族や人生に対して興味を持って聞いていること自体が、社員たちの安心感を高めているのも感じます。みんなに「自分のことを知ってもらえている」ことで、仕事のモチベーションや帰属意識も増し、「サカワって家族っぽい会社だな」と自然と愛情を感じてくれるといいなと思っています。

正直、サシトークは「飲み会をやるよりもずっと効果的」かもと思ったりします。
弊社では全社員で飲む機会も定期的にありますし、みんなそういう場が好きですが、結局は大人数で1つの話題を話すことは難しいので、ラジオを通して社員がじっくりと自分の話を聞いてもらい、お互いのことを知るきっかけとしてはラジオは最適かもしれないです。
ラジオのおかげもあってか、全員で飲み会をする時にさらに盛り上がるという良い流れが出来てきているかもしれません。(ちなみに半年に1度の全社で集まるイベントの打ち上げは2、3次会までの参加率がほぼ7割を超えています)

おわりに──組織づくりの展望

この社内ラジオは全社員とやるには2年ほど掛かりますが、サカワの文化を作る取り組みの一つとしてこれからも大切に育てていきたいと思います。そして、一周回ったら次は月ごとにMCが入れ替わったり、同じ趣味を持つ人同士で話し合うなどパターンを変えても面白いかなと思っています。

社員が安心して働けるような職場環境を作るために、社員一人ひとりの声に耳を傾け、一体感をさらに深めていけると自然と未来まで続く会社が作れるかもしれない──そんなことを感じながらブログを書かせて頂きました。
組織作り、風土づくりに悩んでいらっしゃる方に少しでもご参考になれば幸いです。最後まで読んでくださって、有難うございました。


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この記事を書いたひと

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坂和 寿忠

株式会社サカワ4代目社長の坂和寿忠(トシタダ)です。愛媛県出身、1986年生まれ。大正時代に黒板製造業でスタートした弊社は創業100年を超え、教育分野という土俵はそのままに、今ではアプリを制作し、学校用プロジェクター「ワイード」を全国展開しています(今もグングン導入台数増加中)。 “日本一面白い黒板屋さんになる“ために面白いアイデアや仲間をいつも探しています。「こんな物を一緒に作れないですか?」「こういうこと出来ないですか?」なんていう面白いお話があればいつでも大歓迎です!FacebookやTwitterからメッセージお待ちしております。では、また! 「黒板屋四代目への直接相談フォーム」はこちら

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